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ラーメン多様性地域戦略(2021.9)

国連が作ったラーメン

先々月はカレー、先月はスパゲッティーときたら、今月は、次は、もうこれしかないでしょう。
そう・・・ラーメン!

ところで、ラーメンには関係ないが(実は関係あるのだが)、
やっといろいろなところでいろいろな人がSDGsのことを言い始めた。
そして頻繁に目にするようになったのが、17の目標を表した例のロゴだ。

17のピクトグラム(絵文字)には、No.10やNo.17など、
一見しただけではその意味するとことがよく分からないものもあるが、
分かりやすいものの筆頭はNo.2の「飢餓をゼロに」だろう。

小生は密かに感動しているのだ。
このNo.2「飢餓をゼロに」のピクトグラムはどう見てもラーメンじゃないか。
これは国連で作られたものだ。
そこでラーメンとは鼻が高いね。

このピクトグラムは、少なくともフランス料理に代表される西洋料理のイメージじゃない。
失礼ながら、難民キャンプなどの配給で一つの鉢に注がれた
スープのようなイメージから作られたのだろう。
しかし、「飢餓をゼロに」という文言を隠してこの絵だけを見せると、
ほとんどの日本人は、ラーメンと言うだろう。
そうでしょう。

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SDGsは17の目標から成る。その2番目が「飢餓をゼロに」だ。
(資料:国際連合広報センター)


料理屋でしか食べれない料理

ラーメンはごく普通の一般的な食べ物…という言い方は、
食べる側から見た一方的な言い方である。
作る側から見れば、こんな専門的な食べ物はない。
(インスタントラーメンではない)ラーメン屋で食べるラーメンは、
懐石料理やフランス料理に匹敵、いや、それ以上かもしれない。

ラーメンをちゃんと作ろうと思ったら、家庭ではまず不可能な料理である。
まず、スープを取る材料と手間を考えてみてほしい。
鶏ガラや豚骨、貝柱や干蝦、昆布や椎茸、何やらかにやらいろいろなものを寸胴にいれて何時間、
もしかしたら一日中煮出さなければならない。

今時、Wスープというものもある。
カエシの醤油ダレやいろいろな香油、チャーシューやメンマや煮卵も仕込まなくてはならない。
こんなことは家庭ではできない。
フォンドボーとデミグラスソースを作ってビーフシチューを作る方が、
大変だけど小生にはまだ簡単なような気がする。大変だが、これは家庭でもできる。

しかし、ラーメンは、実は非常に専門的な料理で、家庭では絶対に作れない、
プロにしか作れないものなのである。
ラーメンは、ラーメン屋に行かなければ食べられないことは、自明の理なのである。

私、失敗しないので

誠に恐縮だが、僕は料理で失敗しない。
もとへ、基本的にほとんど失敗しない。
なので、どうにもならない失敗をしたことはよく覚えている。

それは、小学生の頃だった。
小さな僕は、乾麺を茹でて焼きそばを作ろうとしていた。
茹で上がった麺を湯切りしてフライパンに投入し、焼きそばを作る…はずだった。

しかし、麺はフライパンの中であっという間に団子状態になり、
箸でほぐそうにも糊状になってどうにもならない。
しかもフライパンに焦げ付き始めた。
慌てて火を止め、フライパンに焦げ付きを残したまま麺団子を皿に取った。
涙が出そうになった。
誰も見ていなかった。
一人で糊の塊のような麺団子を食べたが、全部は食べられなかったように記憶している。

茹で上がった麺を水洗いし、油をまぶすというセオリーを知らなかったのだ。
なぜ知らなかったか。
それは、日清焼きそばのようなインスタントの焼きそばは、プライパンにお湯と麺を入れ、
水けを吸ってほぐれた麺をそのままフライパンで炒めて作っていたからだ。
茹でた乾麺も同様にそのまま炒めて焼きそばができるものと何の疑問もなく思っていたのだ。

image004_20210831085347c60.png
日清焼そばは、昭和38年に発売が開始された。
インスタント焼きそばは、あの粉末ソースがやみつきになるのよね。
日清食品では、インスタントラーメンの誕生60周年を記念して、NHK連続テレビ小説「まんぷく」の放送開始に合わせ、2018年10月に発売当初のパッケージデザインを再現した「復刻版パッケージ」を発売した。
(資料:日清食品ホームページ)


何事も経験が大事である。
成功も失敗もどちらも大事だが、大きな違いは失敗したことは覚えているということだ。
そして、なぜ失敗したかを「考える」ことが重要である。
「考える」ことで、幹にある重要なことが分かり、自分のものとすることができる。
逆に言うと、枝葉のことは自由にアレンジすることができるようになる。

そして、かくのごとくして僕は料理のキャリアを積上げ、
ラーメンの進化に微力ながら寄与していったのだ。

私、計らないので

僕は、レシピは材料と手順だと思う。
量(時間も含む)ではない。
料理本などで、すべての量が細かく書いてあることにかなり違和感がある。
僕は基本的に量は計らない。

小さじ何杯とか何分煮るとかはひとつの目安にすぎないと思っている。
だって、作る量や材料の量や調理の時間なんて一つに決まるわけないじゃないか。
今日はいつものように夫婦2人、今度の日曜は息子夫婦が孫を連れて来るから4.5人とか。
今年の畑の玉ねぎは出来が悪くて小さいけど、去年のジャガイモはでかかったとか。
高血圧の小生は塩分はできるだけ控えめにするとか。
ジャガイモが崩れそうだから早く火を止めるとか。
すべての料理の量や時間は固定できない。

レシピに書いてある量よりずっと大事なのが、観察する力である。
焼ける音、煮詰まっていく泡の立ち方、焼き色の付き方、
それらが次に何をすべきか教えてくれる。
観察する力は柔軟な考え方や応用力につながる。

これくらいの具材なら、醤油と砂糖はこれくらいの量で煮詰まるとちょうどいい具合になるだろう。
レシピには砂糖大さじ1杯と書いてあるが、
この本は関東人が書いた本なので、味付けが甘すぎる。
小さじ1杯ぐらいにして味醂を足そう。

どんな料理でも臨機応変に対応できるようになる。

ラーメン多様性

話をラーメンに戻そう。
ラーメンは、専門料理の極みであることは先に述べた。
ラーメンのもうひとつの特徴は、その多様性と進化である。
ラーメンは、その起源が中国にあることは論を俟たないが、
小生は日本を代表する食べ物だと思っている。

いわゆる日本料理の範疇ではないが、トンカツやカレーライスがそうであるように、
間違いなく日本が生み出した世界に誇る食べ物である。
なぜラーメンが日本を代表する食べ物になったか。
それはラーメンという食べ物が持つバリエーションと発展性だと小生は思っている。

中・高校生の時(一貫校だった)、学校の食堂には麺類のメニューとして、
うどんと、そして中華そば(あえてラーメンと書かない)があった。
蕎麦ではなく、中華そばなのである(広島には蕎麦の文化はない)。
そして、うどんと中華そばのスープは同じなのである。
イリコだしに中華麺だ。
でも、これが結構美味いのだ。
なつかしいなあ、あの中華そば。

以前、同級生で「あの中華そば」の話が盛り上がり、
広島駅かどこかの駅のホームの立食いそば屋に「あの中華そば」があるという話で盛り上がった。
広島では常識だが、広島を代表するうどんのチェーン店「ちから」には、
「中華そば」という知る人ぞ知る強力メニューがある(但し、スープはガラを基本にした中華だが)。

ラーメン本流を語るには紙幅があまりにも限られる。
なので、ラーメンから派生した別系統を見てみよう。
まず、冷麺系である。

広島には「広島風の」つけ麺が昔からある。
「広島風の」としたのは、関東で一般的なつけ麺とは違うものだからだ。
つけダレは醤油ダレで、ラー油が層になって浮いていて辛いのが特徴である。
麺の上には茹でたキャベツのざく切りと、ピラーで剥き、水に放したキュウリとニンジン、
そして白髪ねぎとチャーシューがのるのが定番である。
広島のつけ麺は、関東でつけ麺が広がる前からあった様に思う。
関東のドロっとした濃厚なつけダレと太麺とはまったく趣を異にする。

そして近年では「汁なし担々麺」である。
20年前ぐらいからぽつぽつ見られるようになったが、今は上記のつけ麺を席巻している。
このように、広島の冷麺系だけをとってみても、
ラーメンはどんどんバリエーションを広げ、進化を遂げているのだ。

次は、焼きそば系である。
この系統の希少種は、何と言っても横浜中華街の「梅蘭」の焼きそばである。
これも知っている人は知っているのだが。
何が希少なのかというと、なんと、餡かけ焼きそばの餡が、
そばの上にかかっているのではなく、そばの中にあるのである。
小生も、この焼きそばを食べるためだけに中華街に行ったことがある。

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海鮮梅蘭焼きそば。何と!麺の中に餡が。
資料:梅蘭ホームページ


ラーメンは、日々新たなバリエーションを展開し、進化していく。
「ラーメン多様性」とは、ラーメンの「つながり」と「個性」のことだ。
ラーメンの「つながり」と「個性」は、
ラーメン長い進化の歴史により創りあげられてきたものである。

ラーメンそのものの多様性、
様々なラーメンを創りあげてきた地域の多様性、
様々なラーメンを継承・発展させてきた人々の多様性。
ラーメンには3つのレベルでの多様性があるのである。

誰一人取り残さない・・・ラーメンにはそれだけの力がある。と思うのである。

| コラム | 09:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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