「5」によせて(2021.5)
神が創りたもうた形
コロナ、コロナで何もしない連休も明けた。もう5月か・・・
5・・・実は、前からずっと不思議に思っていることがある。
突然だけど、他ならぬヒトデのことである。
何であんな形をしてるんだろう。
どうしてあんな形に進化したんだろう。
星形・五角形。
自然界には2次元面を構成する最小要素の三角形や、結晶構造の基本形の四角形、
雪の結晶や柱状節理、力的に強固なハニカム構造の六角形などは普通に見られ、
しかるべき理由付けをすることができるが、五角形なんてとっても不自然だ。
但し、植物は違うよ。
五弁の花は、サクラをはじめとするバラ科やキキョウなどたくさんある。
しかし、動物のデザインとしては、作為的でいかにも不自然だ。
星形・五角形なのはヒトデだけじゃない。
ウニ、ナマコ、ウミユリなど、棘皮動物とよばれる動物はすべてそうだ。
何でこの動物群だけが五角形になっちゃったんだろう。
しかもだ、棘皮動物には頭もなければ脳もない。
何をどう感じて、どういう理由で動いているのだろう。
不思議な生きものだ。

海に落っこちたお星さま。よりによって何でこんな形に。

ウニをさばくと、食べる部分の精巣・卵巣が五角形(星型)に並んでいるのが分かる。
神秘の五芒星
星形は正五角形の対角線を結ぶことによって作ることができる。
対角線は一筆書きで結ぶことができ、星形の中央には逆さになった小さな正五角形が現れる。
星形は神秘性の衣をまとっている。
日本で星形といえば、陰陽師の安倍清明である。
安倍清明が用いた紋は「清明紋」とか「晴明判」とよばれるが、
これは一般的には「五芒星(ごぼうせい)」と呼ばれるマークで、
世界各地で共通して魔術や魔除けの記号とされるものである。
その趣旨は、世界を構成する5つの要素を表したものであることによる。
5つの要素とは、西洋では木星・水星・火星・土星・金星の惑星であり、
中国では陰陽五行説の木・火・土・金・水の5つの元素である。

青が正五角形。赤が五芒星(清明紋、晴明判)。

京都市上京区の清明神社では清明紋の提灯が掲げられていた。
正五角形と五芒星は謎の多い形である。
その最たるものは、この2つの図形は黄金比の塊であるということだ。
黄金比は1:(1+√5)/2の比率(約1.618)で、昔から美しい比率として知られるものだが、
下図の赤・青・緑の辺や対角線はなんと!それぞれ黄金比となっているのである。

正五角形と五芒星は黄金比の塊だ。
また、数字の5はフィボナッチ数である。
話が混み入るのでここではフィボナッチ数の説明は避けるが、
フィボナッチ数と黄金比は密接な関係がある。
フィボナッチ数列のとなり合う2つの数の比は、
揺れながら黄金比(約1.618)に限りなく近づいていく。
例えば、5の前後のフィボナッチ数は3と8で、
5/3=1.66666666666667、8/5=1.6といった具合である。
フィボナッチ数は、パイナップルの果実の表面の突起の螺旋や
ヒマワリの花序の中での種の螺旋をはじめ、
多くの花の花びらの数など、自然界に多く見られるものだ。
棘皮動物の五角形はこのあたりにヒントがあるのかもしれない。
自然界だけでなく、人工物にも五角形はある。
五角形といえば、何といってもアメリカ国防総省のペンタゴンとわが国の函館の五稜郭である。
ペンタゴンは、元々の建設予定地が五角形だったのでこの形で設計されたが、
用地が変更されたにもかかわらず設計は変更されなかったので、
この形になったということである。
ペンタゴンは、各階に一周できる通路が設けられているため、
巨大な建物であるにもかかわらず、建物内の最も遠いところにも10分以内で行けるそうである。
五稜郭は、明治維新の箱館戦争で榎本武揚が立てこもったことで有名だが、
元々は江戸幕府が建設した城郭である。
五角形の星形の城郭は、防御側の死角が少ないなどの利点があり、
元々はヨーロッパ各地に造られた城塞都市に採用されたものだそうだ。

函館の五稜郭。
当時、箱館に入港していたフランス軍艦の軍人の指導を受け、設計されたそうだ。
5は、世界を構成する要素でフィボナッチ数の神秘の数字。
五角形は、多くの黄金比が隠された神秘の形。
五角形の構造は、内部にあっては隅々まで最短距離で達することができ、
外部に対しては最小の死角。
このあたりに神が創りたもうた五角形の生きもののデザインの秘密があるのかもしれない。
コロナ、コロナで何もしない連休も明けた。もう5月か・・・
5・・・実は、前からずっと不思議に思っていることがある。
突然だけど、他ならぬヒトデのことである。
何であんな形をしてるんだろう。
どうしてあんな形に進化したんだろう。
星形・五角形。
自然界には2次元面を構成する最小要素の三角形や、結晶構造の基本形の四角形、
雪の結晶や柱状節理、力的に強固なハニカム構造の六角形などは普通に見られ、
しかるべき理由付けをすることができるが、五角形なんてとっても不自然だ。
但し、植物は違うよ。
五弁の花は、サクラをはじめとするバラ科やキキョウなどたくさんある。
しかし、動物のデザインとしては、作為的でいかにも不自然だ。
星形・五角形なのはヒトデだけじゃない。
ウニ、ナマコ、ウミユリなど、棘皮動物とよばれる動物はすべてそうだ。
何でこの動物群だけが五角形になっちゃったんだろう。
しかもだ、棘皮動物には頭もなければ脳もない。
何をどう感じて、どういう理由で動いているのだろう。
不思議な生きものだ。

海に落っこちたお星さま。よりによって何でこんな形に。

ウニをさばくと、食べる部分の精巣・卵巣が五角形(星型)に並んでいるのが分かる。
神秘の五芒星
星形は正五角形の対角線を結ぶことによって作ることができる。
対角線は一筆書きで結ぶことができ、星形の中央には逆さになった小さな正五角形が現れる。
星形は神秘性の衣をまとっている。
日本で星形といえば、陰陽師の安倍清明である。
安倍清明が用いた紋は「清明紋」とか「晴明判」とよばれるが、
これは一般的には「五芒星(ごぼうせい)」と呼ばれるマークで、
世界各地で共通して魔術や魔除けの記号とされるものである。
その趣旨は、世界を構成する5つの要素を表したものであることによる。
5つの要素とは、西洋では木星・水星・火星・土星・金星の惑星であり、
中国では陰陽五行説の木・火・土・金・水の5つの元素である。

青が正五角形。赤が五芒星(清明紋、晴明判)。

京都市上京区の清明神社では清明紋の提灯が掲げられていた。
正五角形と五芒星は謎の多い形である。
その最たるものは、この2つの図形は黄金比の塊であるということだ。
黄金比は1:(1+√5)/2の比率(約1.618)で、昔から美しい比率として知られるものだが、
下図の赤・青・緑の辺や対角線はなんと!それぞれ黄金比となっているのである。

正五角形と五芒星は黄金比の塊だ。
また、数字の5はフィボナッチ数である。
話が混み入るのでここではフィボナッチ数の説明は避けるが、
フィボナッチ数と黄金比は密接な関係がある。
フィボナッチ数列のとなり合う2つの数の比は、
揺れながら黄金比(約1.618)に限りなく近づいていく。
例えば、5の前後のフィボナッチ数は3と8で、
5/3=1.66666666666667、8/5=1.6といった具合である。
フィボナッチ数は、パイナップルの果実の表面の突起の螺旋や
ヒマワリの花序の中での種の螺旋をはじめ、
多くの花の花びらの数など、自然界に多く見られるものだ。
棘皮動物の五角形はこのあたりにヒントがあるのかもしれない。
自然界だけでなく、人工物にも五角形はある。
五角形といえば、何といってもアメリカ国防総省のペンタゴンとわが国の函館の五稜郭である。
ペンタゴンは、元々の建設予定地が五角形だったのでこの形で設計されたが、
用地が変更されたにもかかわらず設計は変更されなかったので、
この形になったということである。
ペンタゴンは、各階に一周できる通路が設けられているため、
巨大な建物であるにもかかわらず、建物内の最も遠いところにも10分以内で行けるそうである。
五稜郭は、明治維新の箱館戦争で榎本武揚が立てこもったことで有名だが、
元々は江戸幕府が建設した城郭である。
五角形の星形の城郭は、防御側の死角が少ないなどの利点があり、
元々はヨーロッパ各地に造られた城塞都市に採用されたものだそうだ。

函館の五稜郭。
当時、箱館に入港していたフランス軍艦の軍人の指導を受け、設計されたそうだ。
5は、世界を構成する要素でフィボナッチ数の神秘の数字。
五角形は、多くの黄金比が隠された神秘の形。
五角形の構造は、内部にあっては隅々まで最短距離で達することができ、
外部に対しては最小の死角。
このあたりに神が創りたもうた五角形の生きもののデザインの秘密があるのかもしれない。
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