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コロナが教えてくれた(2020.6)

YOUは何しに日本へ?

少しずつ戻りつつあるが、
5月はコロナ騒動のおかげで、街の景色がさっぱり変わってしまった。

コロナ騒動の前、世界遺産を2つも持つ広島の街は、やたら外国人が多かった。
博多に住む友達が広島に来てびっくりしたこととして、外国人、特に白人が多いことをあげていた。
博多も外国人が多いが、アジア系ばかりで、白人は少ないそうである。

「平成30年 広島県観光客数の動向」(広島県)によれば、
広島県の訪日外国人の国籍のベスト5は、アメリカ、台湾、オーストラリア、中国、フランスで、
対前年の伸びは中国を除けばすべて十数%となっている。
では、彼らは広島のどこで何をしているか。
僕が毎日の通勤の道すがら、いつも目にしていた象徴的な光景がある。

その店は、お好み焼き屋だ
市街地中心部の商店街「本通り」のはずれにある。
いわゆる名の知れた老舗や名店ではなく、結構最近できた店で、
市販のガイドブックには載っていない。
日本人はあまり行かないが、なぜかいつも外国人だけが店の外まで行列を作っている。
どうしてこんなことが起きるのか。

それは、SNSだ。
何の宣伝もしていないのに、勝手に、
口コミがそれこそクラスター(こういうクラスターはいいよね)で拡散していく。
それが多くのフォロワーを持つその筋ではそれなりのインスタグラマーやユーチューバーなら、
あっという間に大変なことになる。
一銭も広告料のいらないその宣伝力をまざまざと見せつけられた。

観光庁がとりまとめた2018年の年次報告書
「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析」によれば、
訪日外国人が出発前に得た旅行情報源で役に立ったものの上位は、
「個人のブログ」(30.6%)、「SNS」(23.7%)で、
訪日前に期待していたこと(複数回答)は、「日本食を食べること」が70.5%と最も多かった。

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出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの
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訪日前に期待していたこと(複数回答)
資料:「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析 2018年 年次報告書」(観光庁)

食に関するSNSでの発信は、かくのごとく重要なのである。
そして、インバウンドである。
そして、延期されたとはいえ、来年はオリ・パラの年である。
これがチャンスでなくて何であろうか。
コロナさえなければ・・・

ピンチをチャンスに

で、今回のコロナ騒動である。
コロナ騒動のおかげで多大な影響を受けている飲食店に対し、
after corona ・・・いや、with corona に向けて、今、取り組んでいこうという活動に縁あって関わっている。

外出自粛要請の中、個人経営がほとんどの街中の飲食店は全て大きなダメージを受けている。
何せ客が来ないのだから商売あがったりである。
何に苦しんでいるか。
それは一にも二にも資金繰りである。
何もしなくても、売り上げがなくても、家賃などの固定費は出ていく。
今は、とにかくじっと耐えるしかないのか。そしてそれはいつまで続くのか・・・。

もちろんお金が入らないのは何よりもつらいけど、
何もできない中、じっと耐え、悶々としているだけじゃ何も生まれない。
本当に何もできないのかな?もしかして、今だからできる事があるんじゃないのかな?
発想を転換し、この時間、この機会を利用して、
気にはなっていたけど今までできなかったことを、あまりお金をかけずにやってみようじゃないか。

それは、お店のプチ改修であるかもしれないし、
新しい業態へのチャレンジかもしれないし、
SNSなどへの情報化への対応かもしれないし、
考えてみればやることは結構あるんじゃないかな。
それも、今。
このピンチをチャンスととらえ、今できる事を皆で話し合い、
行動に移していこうという飲食店さんの集まりに参加する機会を得た。

店に来てもらえないのなら、店ごと出かけていけばいいじゃないか。
「店」という固定観念から脱し、キッチンカーを購入してスーパーの駐車場を回り、
シェフが作った温かい食べ物を提供して売り上げをあげている人。
単なる思いつきではなく、
ウーバーイーツのサービス対象外の地域という冷静な販促戦略がそこにはあった。

食品メーカーとのつながりが今までなかったことに気づき、
食品メーカーと飲食店をつなぐ「つなぐプロジェクト」を始めたことにより、
店同士や広くサプライチェーンの仲間づくりの声かけを始めた店。

英語は話せないけど、”Come on!”と書いたボードを店の入口に掲げ、
写真入りの英語メニューを手作りして多くの外国人の来店に成功した店。
などなどの成功アイデアが披露された。

after corona はwith corona。
コロナが考えて行動するチャンスを与えてくれた。
ブランディングは何も高価なものではなく身近なものこそ必要なのだ。

給付や支援をただ待つのではなく、お金は考えて作るものだ。
コロナが考える事を忘れていた自分の甘さに気づかせてくれた。
今後どんな事態になっても大丈夫なように準備することの必要性に気づくことができた。
そして、そういうことに気づいていない人に気づかせることが必要だ。
・・・皆さん切迫した状況であろうはずなのに、愚痴や非難、行政や世間への批判ではなく、
話し合いはあくまでも前向きで建設的である。
敬意に値する。

人のつながり

話し合いを通じて見えてきたことがある。
重要なキーワードは、「SNS」と「人のつながり」である。

まず、SNSである。
先の「YOUは何しに日本へ?」でお話ししたように、SNSは今や最強の広告宣伝媒体である。
SNSでの情報発信能力がお店の価値を左右する。

Webの普及により店がビルの何階にあるかは関係なくなってきているという。
マスコミや紙ベースの広告媒体に頼っている店は確実に衰退するとさえ言われている。
そして、SNSでの情報発信のためには、情報機器のハードやソフトのスキルだけでなく、
インスタ映えするコンテンツの作成能力や写真撮影能力も必要になってくる。
それらスキルの習得の場が必要だ。

次に、「人のつながり」である。
ある店のデリバリーのお好み焼きの容器のふたを開けると、
ふたの内側に「どうもありがとうございます。心を込めて作りました」と手書きで書いてあったという話を聞いた。
注文した人は、またその店に頼むのが人情だわな。

また、ある店では、全面自粛要請が時間制になったとたん
「潰れるんじゃないかと心配しとったんよ」とすぐ来た客がいたという話を聞いた。
お店の人は、そりゃサービスするわな。

店と客の「人のつながり」。
また、店同士、サプライチェーンとの「人のつながり」。
結局は、「人のつながり」を大切にし、それを広げたところに神は微笑むのだろう。

多分、コロナは続く。強弱を繰り返しながら。
今後、途上国や紛争地域で蔓延すること、その中で強毒性のものが出現しないことを祈るばかりである。
が、ペストがルネッサンスを起こしたように、
パンデミックは世界の価値観をひっくり返し、新しい世界が、新しい価値観が生まれるかもしれない。
どんな世界が生まれようとも、人のつながりは失われない。

親しい友人や家族と向き合い、楽しい会話をしながらとる食事はまさに「人のつながり」である。
横並びに座り、仲間の裏切りを告げる「最後の晩餐」が新しい生活様式に決してなってはならない。

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写真:「最後の晩餐」(あさご芸術の森美術館)

| コラム | 11:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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