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みちのく一人旅(その1):みちのく食紀行(2019.6)

ついに みちのくへ

平成から令和に移る10連休。またとないまとまった休みだ。
「どこかに出かけよう」と妻に言うと、
「腰の具合が悪いので動きたくない。一人で好きな所へ行ってくれば」と言う。
うちの夫婦は(というか奥さんは)「相手のために自分を我慢しない」が原則なのだ。
ならば、前から漠然と行きたいと思っていた岩手に思いきって行くことにした。

行くと決めたら、何はともあれ飛行機の手配だ。
東京のはるか向こうまで新幹線で行きたくない。
広島~仙台便をネットで調べると、連休2日目になんと!1座席だけ空いていた。
即、予約。もう決まった。岩手に行くんだ。

なぜ岩手か。
それは、敬愛する宮沢賢治のふるさと花巻と、
柳田国男の「遠野物語」の舞台の遠野に行ってみたかったのだ。
僕は昔から、感性や好みや志向が賢治と共通・共感するところが多々あり、
賢治が生まれ育ったところを見て、感じてみたかったのだ。
そして、ザシキワラシやカッパなどが棲んでいた遠野、
民俗学の原点となった遠野とはどんなところなのか、この目で見てみたかったのだ。

6泊7日の旅は盛りだくさんだったので、数回に分けてそのお話をしようと思う。
「知らない所へ行ったら、食べたことのないものを食べる」の大原則にのっとり、
まず最初は、「みちのく食紀行」から始めようと思う。

人も樹も青葉の街・杜の都

4月28日、僕は初めて仙台という街に降り立った。
仙台は若者が多い。なので、活気がある。
仙台駅前から広島の本通りのようなアーケード街がずっと続いている。
本通りよりもずっと距離が長い。そこに若者があふれている。
「札仙広福」と言うが、仙台に行って、これはヤバイと思った。
地下鉄のある札幌と福岡が広島を上回っているのは明白で、仙台はどうかと思っていたのだが。

仙台は駅前から繁華街である。
そして長いアーケードを中心にそれが延々と続く。
広島のように駅と繁華街が離れていない。
そして街の中に東北大学と東北学院大学がある。
若者の多さがそれを物語っている。
やはり、大学が街の中にあり、街と空港が軌道系で結ばれていなければだめだ。

そして、仙台という街の大きな魅力は、
広瀬川と青葉城(仙台城跡)だということがよくわかった。
まさに、杜の都だ。いい街だ。街はかくあるべし。

その長いアーケードを食べ物屋やお店を冷かしながら歩いていると、あった、あった。
露店で蒸しホヤを売っている。
広島では絶対見れない、まずは食べれないものだ。

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ホヤは、東京では普通に魚屋で売っている。刺身はコノワタよりも磯の香りが強い。
この蒸しホヤは、旅館の夕食で出た。


今度は八百屋が店舗の外にも台を出して何か売っている。
これは!と思って見てみると、すべて山菜だ。
フキノトウ、タラノメ、コゴミは広島でもあるが、行者ニンニクやコシアブラはあまり見ない。
それに、このウコギだ。
ウコギを売っているのは初めて見た。どうやって食べるんだろう。
後日知ったのだが、東北では「ウコギのほろほろ」という料理があり、春の風物詩のようだ。
これは、ウコギの新芽を茹でて刻み、
これに東北では定番の大根の味噌漬けをみじん切りにしたものと
炒ったクルミをみじんにしたものを混ぜて、ご飯にのせたりして食べるのだ。

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上段中央:行者ニンニクとタラノメ、下段中央:大根の味噌漬けとウコギ

そして、仙台といえば、牛タン。
これはテールスープと麦飯の3点セットがお約束だ。
そして、牛タンの付け合わせには青菜の塩漬けと青唐辛子の味噌漬け、
テールスープにはたっぷりの細切り白ネギがこれもお約束だ。
これで2千円弱。高いが美味い。美味いが高い。
しかし、テールスープのテールには肉がたっぷりついている。

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普通の感覚なら、付け合わせは千切りキャベツとなるところだが、菜物の塩漬けと青辛子の味噌漬けというところに東北を感じる。

岩手三大麺

岩手には三大麺といわれる麺がある。
すなわち、わんこそば、岩手冷麺、じゃじゃ麺である。
実はこれが目的で岩手に行ったと言われても仕方がない。

わんこそばは、ソバを入れる大きめのお椀とツユ、それにいろいろな薬味というか具というか
―ネギや海苔はもちろん、とろろ、なめこおろし、イクラ、山菜、漬物、はては天ぷらや刺身などなど―
がのったお膳がまず運ばれてきて、
次に例の小さいわんこに盛られたソバがお盆にのって出てくる。
1枚のお盆には、わんこが24~30杯のっていて、まずはこれが2枚出てくる。
大きめのお椀にツユを入れ、わんこのソバと薬味を放り込んで一口で食べる。これを繰り返す。
食べ放題の店だと、後ろに立ったおねえさんが食べた端からわんこにソバをどんどん放り込む。
ギブアップの時は、ツユの入ったお椀に蓋をするのがお約束だ。

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せっかちな僕が1時間行列に並んだ成果。これはインスタ映えする。

岩手冷麺は、いわゆる焼肉屋で食べる冷麺と同じものだ。
しかし、名物と言われると、普通の冷麺と比べ、何やらスープが深く、美味く感じてしまう。

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キムチによって適度に辛みがつく。スープが深い。

そして、特筆すべきは、じゃじゃ麺である。
これは中華料理でいう炸醤麺とはまったく異なるものだ。
まず、麺が独特である。
少し縮れて太くコシがあり、温かい。見た目はうどんのようだが、全く違うものだ。
そして、曲者は上に乗る肉みそである。
甜面醤の味ではない。
何とも形容しがたく、小生ともあろうものが、食べても材料やレシピが分からない。
肉みその下にはキュウリと白ネギ、皿の縁には薬味のおろしショウガと紅ショウガ(刻んでない1枚もの)。
これをよくかき混ぜて食べるのだが、最後のお楽しみが「チータンタン」である。

「チータンタン」とは「白卵湯」で、略して「チータン」という。
「チータン」を食べるのには独自のお約束がある。
まず、麺を一口だけ残し、カウンターの入れ物に入っている生卵を丼に「勝手に」割入れてかき混ぜ、
箸を添えて「お願いします」とカウンターのおばちゃんに差し出す。
おばちゃんはそれに少しの肉みそを加え、添えられた客の箸で卵と肉みそをさらにかき混ぜ、
それに熱い麺のゆで汁をお玉一杯注ぎ、客に返す。
これが「チータン」である。

早い話が肉みその残り汁で作るかき玉汁である。
広島で、汁なし担々麺の残り汁にご飯を入れるようなもんだ。
「チータン」を食べないと、確かにじゃじゃ麺を食べたような気がしない。

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現地の相場は600円。見た目は地味だけど、これがなかなかどうして・・・

岩手の三大麺を食べて、わが広島のことを考えた。
広島の三大麺って何だろう。
少なくとも、うどんとソバは入らない。
トンコツ醤油の広島ラーメンもあるが、九州ラーメンや札幌ラーメンほどのインパクトはない。
最近は影が薄いがラー油の効いた広島風つけ麺と汁なし担々麺、
そして「麺」と言われると少し苦しいが、やはりお好み焼きだろうか。

何につけ、オリジナリティというものは大切で素晴らしいものだ。
それは、その地域の人が独自にあみ出し、育んできたものだからだ。
僕は、そういうものが、とても好きだ。

次回は、つわものどもが夢の跡―平泉のお話をしたいと思う。

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