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すぐれたなごみ(2019.5)

テレビが劣化している

4月になって新年度が始まり、色々なものが新しく衣替えをして始まった。
特に、冬がシーズンオフのものは、その感が強い。
その最たるものが、プロ野球である。
「球春」という言葉もあるくらいだ。
カープファンとしては、待ちに待った春だ。
そのシーズンオフ、すなわち冬の間に気がついたことがある。
それは、「テレビが劣化している」という事である。

シーズン中は、移動日以外は野球中継がある。
今時は、広島ではジャイアンツの放送はなくても、カープの放送はほぼ毎日あるのだ。
しかし、シーズンオフの間は、夕方から夜にかけてのゴールデンタイムを
ほぼ毎日何かの番組で埋め合わせなければならない。
野球が始まり、やっとあの騒々しいだけのバカ番組から解放される。

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待ちに待った野球シーズンだ。
やっとあの騒々しいだけのバカ番組から解放される。


秋の終わりから春の初めの間は、どのチャンネルも毎日毎日バラエティー番組だ。
お笑い、クイズ、紀行もの、ジャンルは様々だけど、
どれもこれもスタジオの雛段に芸人を並べてのスペシャル番組だ。
雛段に並ぶ芸人も、お笑い芸人を中心に、またあいつかという輩が多い。

これは、ものすごく安直な番組の作り方だ。
テレビ局は自分で自分の首を絞めている。
お笑いのバラエティー番組でも、昔の「俺たちひょうきん族」などは、
出演者はもとよりプロデューサー自体が芸達者で、
番組制作にかかわる人みんなが面白がって番組を作っていた。
こんな番組が面白くない訳がない。
が、今は、ない。

そして、ドラマの劣化が著しい。
昨今のテレビドラマで、名前が残るようなドラマがあるだろうか。

逆に、改めてNHKの番組のすごさが分かる。
NHKの番組には、この1本の番組を作るために、
どのくらい企画を練り、構成を考え、どのくらい取材して、どのくらい撮影したのか
と思わず考える番組が多い。
そういう番組を見ると、画面には出てこないが、
プロデューサーをはじめとする制作に携わった人の熱意と誠意と努力が感じられ、
その人たちに思いをはせる。

でも、これは、仕方がないことと言えば、仕方がないことだ。
NHKは資金力が違うし、受信料が計算できる。
スポンサーに気を使い、必要以上に視聴率に縛られることもない。
民放の基盤と言える地上波テレビの広告費は減少を続け、
増加を続けるインターネットの広告費に、今やほぼ同額まで迫られているのである。

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2018年のインターネットの広告費は、前年比116.5%と5年連続で2桁成長となっている。
一方、地上波テレビの広告費は減少傾向にあり、2018年はインターネットの広告費とほぼ同額となっている。
資料:電通.2018年 日本の広告費


テレビが溶けていく

前から思っていることがある。
それは、みんなそんなにテレビを見る時間があるのだろうか、という事である。
普通のサラリーマンなら、テレビを見るのは平日は夕食から寝るまでのほんの数時間だろう。
休日といったって、それぞれそれなりにやることや行くところがあり、
日がら一日中テレビを見ているわけではないだろう。
昔と違って、今は働く女性も多い。

まあ、休日に撮りためたビデオや映画をのんびり見る事もあるかもしれないが、
それとて休日はいつもそうではないだろう。
WOWOWや有料チャンネルなど好きで見る人もあるとは思うが、
多くの人はそんなにテレビを見る時間はないのではないかと思うのである。

そして、スマホである。電車やバスでどれだけの人が下を向いて固まっているのだろう。
多分、家に帰っても、食事の時もずっとスマホを傍らに置いて、
着信があれば指を動かしでいるのだろう。

子どもたちは、自分の部屋で、
今やなくてはならない体の一部となったスマホと絡み合って家での時間を過ごす。
(小生は日本人が劣化していると思えてならない。いつ、本を読むのか)
いつ、テレビを見るのか。

そして、ここのところずっと話題になり、その結末に注目が集まっていたのが、
NHKのテレビ番組のスマホ視聴に受信料を取ることの是非である。
政府はさる3月に、
NHKによるテレビ番組のインターネット常時同時配信を認める放送法改正案を閣議決定した。
これは、受信料を支払っている人であれば、
ネット視聴のための追加負担は求めないということである。

しかし、これは、もし家にテレビがなくても、
スマホなどのネット環境があるだけで受信料を請求されるということなのだ。
テレビとスマホの境はますます曖昧になっていく。

ここ数年、出張でビジネスホテルに泊まると、テレビはすぐには見られない。
テレビのコントローラーの「電源」ボタンを入れると、まず、ホテルの案内などの画面になる。
知らないうちは、思わず部屋に置かれた「コントローラーの使い方」のカードを見る事になる。
最近テレビを買われた方は良く分かっておられると思うが、
「電源」の後に「地デジ」のボタンを押さなければならないのだ。
これまでのテレビは端的に言えば、「地デジ」(やBS・CS)を見るためのものだった。

今時のテレビは、番組視聴はテレビの一部の機能であって、
テレビはインターネットに接続して映像コンテンツを楽しむものなのだ。
小生の息子は、家にいる時はテレビはYou Tubeに接続し、ずっと音楽付きの画像を流している。
特に画面を見るわけでもなく、早い話が画像付きBGMだ。
番組を見るというテレビの使い方が、どんどん変わってきている。
テレビが溶解し始めている。

自動車も溶けて・・・

液晶だ、プラズマだと言っているうちに、東芝が、日立が、テレビから撤退した。
(日立ほど黒がきれいなテレビはないと思っていたのに残念だ)
そうこうしているうちに、今度は有機ELだ、4Kだ、8Kだ、AMはやめてFMだ、
基幹の通信技術では5Gだなどといっている。
ほんのここ10年の話だ。
テレビというものはどうなるんだろう。

テレビだけじゃない。
例えば、自動車というものはどうなるんだろ。
いかにレシプロエンジンが車の正統であろうと、
低炭素社会の潮流の中で電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)の流れは抗いようがない。
イノベーションの潮流の中で、自動車安全技術・自動運転技術の流れは抗いようがない。

そして、それらの技術開発には巨大な資金力と技術力が必要で、
とても一つのメーカーで対応できるものではない。
一方、需要側を見てみると、カーシェアリングの流れが大きな流れになるように見える。
それはすなわち、自動車を持つ人が減少することを意味する。
そしてそれは、自動車業界とIT業界が溶けあっていくようにも見える。

20世紀を席巻した自動車産業は、
21世紀はGAFA(グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェースブック( Facebook)、アマゾン(Amazon))
のIT産業にとってかわられるのかもしれない。
いや、溶け合って、また別の物が生まれるのかもしれない。

優れた和み

4月になって新年度が始まり、今月から年号も新しく衣替えをして始まった。

 初春の令月にして 気よく風和らぎ

人間がこれまでつくり出したいろいろなものが、その垣根を超えて溶け合い、
融合して人々の日々の幸せにつながる新たなものを生み出していけるのなら、
こんな素晴らしいことはない。

来るべき時代が、どうか、
すぐれたなごみ-令和-でありますように。

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