目のつけどころ(2018.12)
「物を運ぶ」ということ
何が好きかって、ビールが好きだ。365日飲む。
いつも大瓶2ケース買って常備している。
底をついたので、酒屋に買いに行ったのだ。
いつもの一番搾りを頼むと、在庫がないと言う。
他のものでもいいかと言うので、黒ラベルとスーパードライを買って帰った。
晩飯を作り、いつものようにビールの栓を抜き、コップに注ぐ。
何かいつもと違うのである。
何が違うのかと考えたら、重いのである。
瓶が、重いのである。
改めて瓶を眺めてみると、厚ぼったい感じがする。
一番搾りはもっとスリムな感じだった。
ネットで調べてみると、どのビール会社も軽量化を図っているのだが、
キリンは最も軽量化が進んでいる。
瓶の肉厚は半分となり、大瓶で130g、約20%も軽量化されている。
これはすごいことだ。1ケース(20本)で2.6kgだ。
何が言いたいかと言うと、
瓶の原料が少なくて済むということより、運搬の負荷が少ないということだ。
それだけ燃料が、即ちCO2の排出量が削減されることになる。
キリンによれば、瓶の軽量化により、
製造・物流工程のCO2排出量が年間約930t削減されるそうだ。
環境負荷低減の切り口は様々なところにある。
日経エコロジーが「エコ&社会貢献商品ランキング」というインターネット調査を行っている。
2013年に行われた第4回調査の1位と2位はどちらも電気自動車で、
それぞれプリウスとリーフであるが、3位に飲料が入っている。
日本コカ・コーラの「い・ろ・は・す」である。
「い・ろ・は・す」は、ご承知のとおり、飲んだ後のボトルをくしゃくしゃと「絞る」ことができる。
これを面白いとかストレス解消とかという人もいるかもしれないが、
ペットボトルを圧縮できるということはすごいことなのだ。
製品の省エネやCO2削減というと、製造や使用の状況にまず気持ちが向くが、
必ず存在する「運搬」という工程にも目を向ける必要がある。
使用後のペットボトルの運搬は、よく「空気を運んでいる」と言われ、
LCA(ライフサイクルアセスメント)上の最大の課題だった。
しかし、容器としてある程度の強度が必要なペットボトルを
消費者が減容(圧縮)するなどということは無理なことで、誰もはなから考えもしなかった。
その常識にとらわれず、技術革新を図り、実現したことは称賛に値する。
ペットボトルを「絞る」ことは、環境負荷の低減につながるのだ。

「い・ろ・は・す」は、「LOHAS」を掛けてある。「I(am)LOHAS」…「私はLOHAS」なのだ。(資料:日本コカ・コーラ株式会社)
「洗濯する」ということ
上記調査で毎回上位にあがってくる商品がある。
6位の花王の「アタックNeo」である。
なぜかというと、「アタックNeo」のウリは「すすぎ1回」である。
すすぎを2回から1回にすると、1回の洗濯で使用する水の量は28リットル、
電力は15kWh、CO2はトータルで約22%削減されるそうである(花王資料)。
製品そのものではなく、
洗濯の際に使われる「水」に着目したところがコロンブスの卵であり、秀逸である。

今は「『ウルトラ』アタックNeo」だ。(資料:花王ホームページ)
洗濯といえば、洗濯板が密かなブームであるのをご存知だろうか。
いえいえ、熱心な環境活動家が電力に頼らない生活をしているわけではないのだ。
洗濯機に洗濯物を放り込んで洗濯してもなかなか落ちない汚れ、
即ち、食物や飲料の染みや襟元などの部分的な汚れを
ちょこちょこっと落とすのに使われているそうだ。
従って、昔のようにタライに大きな洗濯板なのではなく、洗面器に小さな洗濯板なのである。
これは便利だ。
しかし、そんな洗濯板あるんかいな。
それがあるのである。
高知の「とさこや」の「土佐龍」サクラの洗濯板である。
サイズはSからXLまであるが、120×260mmのSが秀逸である。
これはいい。
美しいし、気持ちがいい。
LOHASな生活は、身近な小さなできることから始めたい。
そして、常識に縛られず、
「こんなのあったらいいな」から自由に発想できる人間でありたい。

水に強いサクラ材の洗濯板の大と小。
生地を傷めず、かつ汚れを落とす溝の独特のカーブが美しい。
(資料:とさこやホームページ)
何が好きかって、ビールが好きだ。365日飲む。
いつも大瓶2ケース買って常備している。
底をついたので、酒屋に買いに行ったのだ。
いつもの一番搾りを頼むと、在庫がないと言う。
他のものでもいいかと言うので、黒ラベルとスーパードライを買って帰った。
晩飯を作り、いつものようにビールの栓を抜き、コップに注ぐ。
何かいつもと違うのである。
何が違うのかと考えたら、重いのである。
瓶が、重いのである。
改めて瓶を眺めてみると、厚ぼったい感じがする。
一番搾りはもっとスリムな感じだった。
ネットで調べてみると、どのビール会社も軽量化を図っているのだが、
キリンは最も軽量化が進んでいる。
瓶の肉厚は半分となり、大瓶で130g、約20%も軽量化されている。
これはすごいことだ。1ケース(20本)で2.6kgだ。
何が言いたいかと言うと、
瓶の原料が少なくて済むということより、運搬の負荷が少ないということだ。
それだけ燃料が、即ちCO2の排出量が削減されることになる。
キリンによれば、瓶の軽量化により、
製造・物流工程のCO2排出量が年間約930t削減されるそうだ。
環境負荷低減の切り口は様々なところにある。
日経エコロジーが「エコ&社会貢献商品ランキング」というインターネット調査を行っている。
2013年に行われた第4回調査の1位と2位はどちらも電気自動車で、
それぞれプリウスとリーフであるが、3位に飲料が入っている。
日本コカ・コーラの「い・ろ・は・す」である。
「い・ろ・は・す」は、ご承知のとおり、飲んだ後のボトルをくしゃくしゃと「絞る」ことができる。
これを面白いとかストレス解消とかという人もいるかもしれないが、
ペットボトルを圧縮できるということはすごいことなのだ。
製品の省エネやCO2削減というと、製造や使用の状況にまず気持ちが向くが、
必ず存在する「運搬」という工程にも目を向ける必要がある。
使用後のペットボトルの運搬は、よく「空気を運んでいる」と言われ、
LCA(ライフサイクルアセスメント)上の最大の課題だった。
しかし、容器としてある程度の強度が必要なペットボトルを
消費者が減容(圧縮)するなどということは無理なことで、誰もはなから考えもしなかった。
その常識にとらわれず、技術革新を図り、実現したことは称賛に値する。
ペットボトルを「絞る」ことは、環境負荷の低減につながるのだ。

「い・ろ・は・す」は、「LOHAS」を掛けてある。「I(am)LOHAS」…「私はLOHAS」なのだ。(資料:日本コカ・コーラ株式会社)
「洗濯する」ということ
上記調査で毎回上位にあがってくる商品がある。
6位の花王の「アタックNeo」である。
なぜかというと、「アタックNeo」のウリは「すすぎ1回」である。
すすぎを2回から1回にすると、1回の洗濯で使用する水の量は28リットル、
電力は15kWh、CO2はトータルで約22%削減されるそうである(花王資料)。
製品そのものではなく、
洗濯の際に使われる「水」に着目したところがコロンブスの卵であり、秀逸である。

今は「『ウルトラ』アタックNeo」だ。(資料:花王ホームページ)
洗濯といえば、洗濯板が密かなブームであるのをご存知だろうか。
いえいえ、熱心な環境活動家が電力に頼らない生活をしているわけではないのだ。
洗濯機に洗濯物を放り込んで洗濯してもなかなか落ちない汚れ、
即ち、食物や飲料の染みや襟元などの部分的な汚れを
ちょこちょこっと落とすのに使われているそうだ。
従って、昔のようにタライに大きな洗濯板なのではなく、洗面器に小さな洗濯板なのである。
これは便利だ。
しかし、そんな洗濯板あるんかいな。
それがあるのである。
高知の「とさこや」の「土佐龍」サクラの洗濯板である。
サイズはSからXLまであるが、120×260mmのSが秀逸である。
これはいい。
美しいし、気持ちがいい。
LOHASな生活は、身近な小さなできることから始めたい。
そして、常識に縛られず、
「こんなのあったらいいな」から自由に発想できる人間でありたい。

水に強いサクラ材の洗濯板の大と小。
生地を傷めず、かつ汚れを落とす溝の独特のカーブが美しい。
(資料:とさこやホームページ)
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