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九州はよかとこばい(2015.5)

4月は所用があり、各週おきに週末は九州に行っていた。
今回は趣を変えて、九州紀行にお付き合い願いたい。

これを読みんしゃったら、あんたは九州が好いとぉになる。
ばってん、九州はよかとこばい。

エイリアン再登場

まずは、当然、食べ物から。
ラーメンやもつ鍋じゃあ面白くないから、例のやつ。
以前もこのコラムで取り上げた有明のエイリアン「ワラスボ」である。
まずは、下の写真をご覧あれ。
こいつがワラスボである。生きている本物だ。水槽の中だけど。

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長さは30~40cmとあまり大きくない。
ウツボぐらいあったら迫力あるだろうなあ。
北の怪魚カミナリウオと勝負できるぜ。


こいつは干物にして、炙って食べるのだ。
小さいのが4,5匹入って、千円で売っている。
さすがに干物のミイラ状態になると、結構情けない姿になるが、
しかし、顔をアップでよく見ると、やはり間違いなくエイリアンだ。

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干物と成り果てた姿は干からびたツチノコ状態だが、
ミイラになっても面がまえはやはり只者じゃない。
口の中から口が飛び出てくるかも。


同じところにムツゴロウの干物もあった。
なにせハゼなので、頭だけはでかい。
こちらも生前にあったテラテラとした皮膚のヌメリ感や淡い藤色の斑点は失われ、
情けない姿になっている。
ワラスボと同様、炙って食べるのだが、ひれ酒のように熱燗に入れてもおいしいのだそうだ。

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こちらはムツゴロウの干物。
ムツゴロウは、蒲焼か甘辛く煮付けて食べるのが一般的なのだそうだ。


蔵と川のまち

福岡県の南部、筑後川のほとりに吉井町というまちがある。
正確には、合併したので「うきは市吉井町」である。
この吉井町は、白壁蔵造りの街並みで知られ、
国の重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に指定されている。
この白壁蔵造りの街並みを観ようと吉井町まで足を延ばしたのである。

白壁蔵造りの街並みは、
福島県喜多方市や埼玉県川越市、滋賀県近江八幡市、岡山県倉敷市など
これまで多くの名の通った街を見てきたが、
この吉井町の伝建地区がこれほどとは思っていなかった。
正直、そんなに期待していなかったが、とても素晴らしいものだった。

まず、白壁蔵造りの街並みのエリアが広い。
伝建地区というものは、街並みの姿を維持していくために、様々な規制事項がある。
そして、その伝統的建造物群の中には、当たり前だけど、人が住んでいるのである。
伝建地区の最大の課題は、
それらの規制事項とそこに居住する住民の生活との折り合いなのである。

このエリアが広いということは、多くの人がその規制を受け入れ、
維持するための活動をしているということなのである。
春の「筑後吉井おひなさまめぐり」、
夏の「ちくご吉井お宝の市」「筑後吉井の小さな美術館めぐり」、
秋の「吉井しらかべ楽市楽座」などなど
一年を通して吉井町の伝建地区では様々なイベントを行っており、
これらはこの伝建地区の住民や市民ボランティアが主体となって行っているのである。

このような大きなイベントだけではない。
小生が訪れた時も、伝建地区の真ん中を流れる南新川に
まだ時期は早いが幼稚園生から中学生まで手作りの鯉のぼりが掛けられていた。
みんなで街並みを演出しているのだ。

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南新川は、5人の庄屋と町民が命を懸けて作った水路だ。

吉井町の伝建地区のもう一つの魅力は、
南新川をはじめとする地区内を流れる水路である。
筑後川から引いた水路が白壁蔵造りの街並みの中を縦横に流れる。
このコラムでも以前書いたが、この街では川が生活と密着しているのである。
下の写真は伝統的建造物群のひとつ鏡田屋敷の台所の土間から水路への降り口である。
かつて、ここで野菜などを洗ったのだろう。
人々の住まいは川に向かって開かれ、人々の生活はいつも川とともにあったのである。

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雨だったため、水は濁っているが、普段は水量の豊富な清流だ。

先にもご紹介した「筑後吉井おひなさまめぐり」をまだやっている蔵があった。
イベントの期間は終わったのだが、片づけるのが大変なので、
なかなかその気になれず、まだ出しているのだそうだ。ラッキー!

親切なボランティアガイドさんの話で、九州地方ではレリーフ状の「おきあげ雛」や
お内裏様だけが箱に入っている「箱雛」などの特有のものがあることを知った。
知ったと言えば、まず、古い男雛の左右の目は違うということを初めて知った。
男雛の右目はこころもち吊り上がっているのだ。
これは仁王様と同じで、片目で邪気を睨み、これを払っているのだそうだ。
三人官女の内の一人は既婚者だそうだ。
よく見れば、確かに一体だけ眉がなく、口には一点墨が入れてある。
そう、お歯黒である。
この既婚者の官女が女雛の乳母というか、教育係なのだそうだ。

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蔵屋敷の中の1階も2階も部屋という部屋に、江戸から平成までの何十組ものお雛さま。
確かにこりゃ片づけるのは大仕事だ。


九州はよかとこばい

緑の山、水路の流れるのどかな田園、個性ある街並み。
田舎だけじゃないよ、中洲も天神も、旦過も天文館もみんないい。
おいしい食べ物、安い物価。
朴訥としているが(たまにそうじゃない人もいるけど)、誠意と信念がある人たち。
九州出身で悪い人に出会ったことはない。

いいなあ、九州。
九州はどこもいい。
もし自分が九州出身だったら、いつか絶対、きっと九州に帰ってくる。
九州は、ほんと、よかとこばい。

| コラム | 10:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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