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風の中、ディープな那覇をさまよったのだ(2014.11)

風速50mと沖縄ルール

先月、沖縄に行った(もちろん、仕事、でだよ)。
連休を挟み、連休はプライベートで北谷のアメリカンビレッジで
沖縄のミュージックシーンに浸ろうと画策したのだった。
ところがだ、こともあろうに連休の土日に台風が沖縄をもろに直撃したのだった。

沖縄の人も今回はメガトン級だとか言っている。
仕事の相棒は予定変更して、金曜にそそくさと広島へ帰ってしまった。
那覇で会う約束だった広島の友人も旅行をすべてキャンセルしてしまった。
でも僕は、まあ、台風が来てもレンタカーで北谷まで行って、
博物館や屋内のレクリエーション施設で過ごせばいいと思っていたのだ。

金曜の夜、だんだんすごい風になってきたので、外に飲みに出るのを諦めて、
ホテル近くのショッピングセンターに夕食の買い出しに行った。
ショッピングセンターのレジは長蛇の列だ。
まあ、金曜の夜だからなあ、などと思ったが、
これがとんでもない間違いであることを翌日思い知らされることになる。

さて、翌日の土曜日。
朝起きると、もう外はすごい暴風雨だ。
でも、窓から外を見ると、タクシーは普通に動いているようだ。
車で動けば何とかなるな、と思っていたところに、レンタカー屋から電話が入った。

レンタカーは、最寄りの営業所で借りる段取りだったが、
台風のため、離れた別の場所まで取りに来いという。
モノレールもバスも運行中止になっている。
タクシーで来いという。
ネットで調べてみると、行こうと思っていた博物館や屋内のレジャー施設は
すべて臨時休館であることがわかり、
ここに至って一気にやる気が失せた。

泊まっているホテルに連泊を申し入れ、
レンタカーと泊まる予定の北谷のホテルをキャンセルした。
今日はこのホテルにカンヅメの悟りを開き、何をなすべきか考えた。
すると、昼飯と晩飯を確保しなければならないことに思い至った。
泊まっているホテルはビジネスホテルなのだ。

で、早速昨日行ったホテル近くのショッピングセンターに行ったのだ。
行ったのだが・・・
ガーン!何と閉まっているではないか。
仕方ない、腹をくくってコンビニまで行くことにした。

コンビニまではちょっと距離がある。
外は風速50mの暴風雨である。
風速50mの暴風雨とはどのようなものか、初めて経験した。
当然、傘なんぞというものは全く役に立たない。
本当に、立っていられないぐらい。
油断すると体ごと持って行かれそうだ。
おかげさまで、広島では決して味わえない貴重な体験をさせていただいたのだった。

「警報が出たらすべて止まる」という沖縄ルールをこのときはじめて知った。
警報が出たら、学校はもとより、すべての博物館やレクリエーション施設は休館となり、
モノレールやバスは運休となり、高速道路は閉鎖される。
スーパーをはじめとする店舗もすべて臨時休業となる。
本当に、どこにも行けない、何もできない状態になるのだ。
だから、沖縄ルールが当たり前の沖縄の人たちは、
警報が出たら特段の用のない限り、家から一歩も出ないのだ。
ここに至って前日のショッピングセンターのレジの長蛇の列の意味がやっとわかった。

スージグァー彷徨

翌日はどうやら風も少しおさまった(といっても、広島的感覚でいうと、外はまだ暴風だ)。
せっかく沖縄に来ているのだ。
交通機関もまだ止まっており、各種施設もまだ開いていないので、
歩いて行ける那覇の裏町を探索することにした。

那覇には昭和の香りがする街が随所に残っている。
これらの街には「スージグァー」といわれる路地が迷路のように張り巡らされている。
「スージグァー」は幅1mぐらいで、両脇はすぐ民家である。
開け放たれた窓からは、おじぃやおばぁが大音量でテレビを見ている。
そういう「スージグァー」をさまよってみたのだ。

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「スージグァー」はたとえばこんな感じだ。

沖縄の道では、道の突当りに「石敢當」(いしがんとう)という石碑がよく置いてある。
「石敢當」は魔よけの石碑なのだ。
沖縄では「マジムン」という魔物が市中を徘徊しているという。
この「マジムン」は、直進しかできないため(誰かみたいだ)、
T字路などの突き当たりにぶつかるとその家に入ってきてしまうと信じられている。
そのため、T字路などの突き当たりに「石敢當」を設けて
「マジムン」の侵入を防いでいるのだ。
「石敢當」は大きいのから小さいの、立派なものから手作りのものまで様々なものがある。
街をさまよって「石敢當」を見つけるのは楽しい。
上の写真にも「スージグァー」の突当りに「石敢當」がある。

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いろいろな「石敢當」。大きいのや小さいの、立派なものや手作りのものまで様々なものがある。

「スージグァー」をさまよっていると、
半ば崩れかかったような実にレトロな建物に出会う。
典型的なのは、水色のペンキで塗られた木造家屋である。
なぜ水色なのかよくわからないが、
裏町にはどこに行っても水色のペンキで塗られた木造家屋があるのである。
上の写真の手作りの木製の「石敢當」も水色のペンキで塗られた木造家屋にあった。

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「スージグァー」を象徴する水色のペンキで塗られた木造家屋。

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感動的なレトロさ。横のオート三輪がまた渋い。

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こういうのが沖縄らしくていいねえ。1匹2万5千円。

しかし、那覇の街も、新しいものが古いものをどんどん飲み込んでいる。
これで本当にいいのかと思う。
日本のどこにでもあるような街に那覇はなってほしくない。
日本の多くの都市で失われたものが、この那覇ではまだ生き続けているのだから。

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この木造家屋もいずれ・・・

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高層マンションの足元に残る古い亀甲墓。あの戦争で、縁者たちは死に絶えたのだろうか。

裏町をうろうろしていると、時々面白いものにぶつかる。
飲み物の自動販売機の商品見本に
「甘い物色々出ます」「お茶色々出ます」とか手書きで書いてある。
なんじゃこりゃ。
しかも、50円とか60円だ。
こういう文化を失ってほしくないのだ。
あの崩れかかる木造家屋とともにこんな文化が失われないように祈る。

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手作り(手書き)自動販売機。こんなもん初めて見た。

招かれざる客

仕事の打ち合わせで現場事務所を歩いていると、見たこともない大きな巻貝がいる。
よく見ると、そこらじゅうにいる。
手に取って見ようとしたら、「危ない!」と現地の人が叫んだ。
反射的に手をひっこめる。
聞けば、この貝はアフリカマイマイといい、毒があるそうで、触ってはいけないという。
普通の公園などにもたくさんいて、困っているとのことだ。

帰って調べてみると、アフリカマイマイは東アフリカ原産で、
食用目的で沖縄に持ち込まれたようだ。
安物のエスカルゴはこの貝を使うそうだ。

アフリカマイマイは広東住血線虫という寄生虫を持ち、
それが人間に寄生した場合、髄膜脳炎を引き起こし、場合によっては死に至るという。
直接触ったり、這った跡に触ってもこの寄生虫に寄生される危険があるという。
外来生物法においても要注意外来生物に指定されており、
世界の侵略的外来種ワースト100 (IUCN, 2000) 選定種にもなっているとんでもないやつだ。
以来、帰るまで注意して見ると、結構見つけられる。
那覇空港外構の道路緑地にもいた。

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世界最大・最悪の陸産貝類アフリカマイマイ。
ガラケーと一緒に記念撮影。その大きさが分かってもらえるか。


暴風雨に始まり、アフリカマイマイで終わった沖縄の旅であった。


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