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日本が地球を救う

足跡

7月20日。
この日がどんな日であるか、ご存知の人はまずいないと思う。
実はこの日は、人類にとって大変な記念日なのである。
1969年7月20日、アポロ11号のアームストロング船長とオルドリン操縦士は
人類史上初めて月に降り立った。
「ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとって偉大な飛躍だ。」
この時アームストロング船長が語った言葉はよく覚えている。
小学生だった小生も、
テレビに映った雑音だらけの細切れのスローモーションのようなシーンと、
月面に記された「足跡」の写真はよく覚えている。

漫画・映画「20世紀少年」では、この時司令船に残り、
一人月面に立てなかったコリンズ大佐に目を向け、思いをはせている。
ドキッとしたね、この視点には。

201107-01足跡


エコロジカル・フットプリント

環境の足跡・・・
「エコロジカル・フットプリント」(以下「EF」)という言葉がある。
EFは、人間活動が地球環境に与えている負荷をあらわす指標で、
人間一人が生活を維持するために必要な土地の面積のことをいう。
すなわち、食糧生産のための耕作地やCO2吸収のための森林など、
私たちの生活を支えるために必要な土地
―人間が自然環境を踏みつけている土地―のことであり、
gha(グローバル・ヘクタール)/人という単位であらわす。

その国のEFを世界平均のEFで割れば、
もし世界中の人がその国と同じような生活をしたとすると地球が何個いるかという数字になる
(これを仮に「必要地球量」とよぶ)。
世界自然保護基金(WWF)の「生きている地球レポート」2008年版によるEFから
各国の「必要地球量」を算出すると次のようになる。

 

EF(gha/人)

必要地球量:EF/世界(2.7)

世界平均

2.7

1.0

日本

4.9

1.8

アメリカ

9.4

3.5



もし、世界中の人が日本と同じような生活をしたとすると・・・

201107-02地球201107-02地球0.8 地球が1.8個必要!

もし、世界中の人がアメリカと同じような生活をしたとすると・・・

201107-02地球201107-02地球201107-02地球201107-02地球半分 地球が3.5個必要!!

アメリカは論外にしても、
日本がぜいたくなのか、世界が貧しいのか・・・
たぶんその両方だと思う。
日本人はこんな生活をしていていいのか。
世界の人々はこんな生活をしていていいのか。
世界人口の約20%に過ぎない先進国が、
地球の資源・エネルギーの約80%を消費しているのだ。


数年前、「世界がもし100人の村だったら」
という散文が話題になったのを覚えていらっしゃるだろうか。
受け取った発信者不詳のメールに衝撃を受けた
翻訳家の池田香代子氏が加筆修正して「再話」として出版したものであるが、
もともとは、メドウズ女史による「地球村の状況」が原典だといわれている。

世界がもし100人の村だったら
(中 略)
6人が全世界の富の59%を所有し
その6人ともがアメリカ国籍
80人は標準以下の居住環境に住み
70人は文字が読めません
(後 略)


あなたは、上澄みの1/5に属していることに胸をなでおろすか、
はたまた大部分を占める4/5の人々を哀れみ、
何とかしなければと考えるか。
では、いつか幸いにもユートピアが訪れ、
4/5の人が1/5の場所に引き上げられたとき、
地球はどうなるのだろう・・・



成長の限界

さて、このメドウズ女史の夫であるメドウズ氏は、
ローマクラブで「成長の限界」を執筆した。
ローマクラブは、全地球的な問題に対処するために
1970年に設立された民間のシンクタンクで、
立ち上げのための会合をローマで開いたことからこの名でよばれている。
約40年前の1972年に既にローマクラブは「成長の限界」でこう警鐘を鳴らした。

「人類と自然環境の関係はすでに緊迫した状態にあるが、
さらに悪化し続けるだろう。
取り返しのつかない崩壊に至る前に、
こうした状況を思い切って正さなくてはならない。」

「人口増加や工業投資の成長がこのまま続けば、
有限な天然資源は枯渇し、
環境汚染が自然の許容範囲を超えて進行し、
100年以内に人類の成長は限界に達するであろう。」

201107-03成長の限界

ローマクラブが「100年以内」と予言して、既に40年たつ。
その間、我々は何をしたのだろうか。
たしかに、1992年の地球サミット、1997年の京都議定書と、
具体的な大きな歩みはある。

しかし、地球を3.5個も使っているアメリカは議定書を批准せず、
そうこうしているうちに「発展途上国」中国がアメリカを抜いて
一番の温室効果ガス排出国になった。
中国は、自分たちにはこれから先進国並みの生活向上の権利があるとの主張を続け、
排出抑制義務を負おうとはしない。
しかし、たまたま先進国に生まれ、豊かな生活を享受してきた私たちが、
この中国の言い分を否定する権利があるだろうか?


そして原発

「成長の限界」が発表されると世界中が大騒ぎになった。
さらに、その翌年の1973年という絶妙のタイミングで
中東戦争によるオイルショックが起こり、石油価格が暴騰した。

その結果、何が起こったか・・・
先進国は競って原子力発電所を建設したのだ。

では、日本では何が起こったか・・・
新エネ・省エネに走ったのである。

1974年に新エネ開発計画「サンシャイン計画」、
1978年に省エネ開発計画「ムーンライト計画」がスタートし、
1979年には省エネ法が制定された。
省エネの技術開発を国を挙げて推進した。

災い転じて福となす。

オイルショックにより日本の省エネ技術は磨きに磨かれ、
あわせてその周辺の関係技術も磨かれ、
その後の技術立国日本の礎になったのである。

そしてその一方で、日本も当然のように原発の推進を図った。
オイルショックの翌年の1974年には電源三法が成立し、
原発をつくるたびに交付金が出てくる仕組みを作ったのだ。

資源エネルギー庁の試算によれば、原発立地の地元には、
20年間で交付金545億円、固定資産税348億円の合計893億円が入るという。
これはすごい話である。
しかし、うまい話は気をつけたほうがいい。
固定資産税は減価償却に伴い年々減少していくのだ。

毎年、黙っていても入ってくる数十億円の交付金と税収で豊かな生活に一度なじんだ体は、
もう昔の生活には戻れない。
そして20年たつと薬が切れる。
再び次の原発を誘致しないと税収が確保できなくなる。
今の町や村の姿が維持できなくなる。
今の生活が維持できなくなる。
そして福島のような「原発銀座」ができるのだ。

そして2011年3月11日・・・


神がくれた試練

巧妙に作られた政府の制度。
あくどいと思われるだろうか。
地元も地元だと思われるだろうか。

資源のない日本。
エネルギー自給、安全保障の必要性を思い知ったオイルショック。
原子力に光を見出したことは間違いだったのだろうか。

そして、このようにして作られた電気を使っているのは、
ほかならぬ私たちである。
どうやって電気を作るのかは政府の問題じゃない。
私たち自身の問題だ。

大切なものの順番はどうか。
ほんとうに大切で譲れないところはどこか。
どこをみんなで分け合って、どこをみんなで我慢するのか。

福島原発の被災者の方々には心よりお見舞い申し上げる。

それとは別の次元で、
この度のことは私たちがわがこととして
エネルギーのあり方を本気で考えるまたとない機会だと思う。

オイルショックの後、
国として技術開発に磨きをかけたように、
私はこれからエネルギー技術とその周辺の技術が飛躍的に磨かれると信じる。

このようなみんなで真剣になって取り組まざるを得ない事態が起きないと、
「成長の限界」は打破できないのだ。
「成長の限界」を漠然とわかっていながら、
のほほんと暮らす私たちに、
神が目覚めよ!と叫んだのである。

「成長の限界」を超えるあり方を日本発で世界に発信するまたとないチャンスだ。
そしてそれは、世界中が求めるものなのだ。

Japan Initiative!

201107-04化学防護服

わが社にある化学防護服を着てみました。
何もしなくても暑くてたまらん。
こんなもの着て作業するなんて、信じられない。
原発で作業されている皆様、ほんとうにお疲れ様です。



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