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僕は残業が嫌いだ

スタンドプレーとファインプレー

「さーあ、この試合最大のピンチを迎えています。
一打同点、はたまた逆転のチャンス。
サインにうなずいて、ピッチャー振りかぶって、投げ・・・打ちました。
サードライン際を痛烈なゴロか襲っている。
抜けるか・・・サード猛烈なダッシュです。
逆シングルで・・・そのまま一回転しました。
おお、球はとっているぞ。
そして、体勢を立て直して一塁に矢のような送球だ・・・アウト!アウトだ!
塁審の右手が上がっています。
間一髪だ。
何というスーパープレーでしょう。
超美技です。
お客さんも盛り上がっています。
まさに、これぞまさにプロと言うべきプレーです。
いやー広岡さん、素晴らしいプレーでしたね。」

「・・・・・・。」

「広岡さんも絶句されています。」

「・・・・・・。」

「今のプレー、すごかったですね。いかがですか、広岡さん。」

「何ですか、今の守備は。」

「は?・・・」

「最低ですね。プロとして絶対にやってはいけないプレーです。」

「は?・・・といいますと・・・」

「そもそも、あの守備位置はいったい何を考えているんですかねえ。
このケースは二遊間よりではなく、サードベースよりで守るのは常識でしょう。
バッターは引っ張り専門で、打ち気にはやっている。
いったい内野手として、カウントやサインは頭に入っているんですかねえ。
誘い球の内角高め。
彼の好きなコースですよ。
引っ張ってライン際に飛ぶのはわかってるじゃないですか。
サードベースよりで守っていれば、ゴロは体の真正面で確実に捕球できる。
何でもないただのサードゴロです。
それを何であんなバタバタと危なっかしいとり方をするんですかねえ。
たまたま間に合ったからいいようなものの、限りなくエラーに近いプレーです。
基本がまったく出来ていない。
最低のプレーです。」

20120301-01
ジャイアンツの名ショートでならした広岡氏は、
地方の弱小球団であったカープに当時の根本監督によりコーチとして招かれた
(広岡氏は呉三津田高校の出身だが、
本来、当時のカープに来てもらえるような人ではなかった。
根本氏のご人徳である)。

広岡氏はプロとしての心構えと技術をカープの選手に染み込ませた。
根本監督は球団初のAクラスにカープを導き、
その芽はその後のルーツ監督に引き継がれ、
古葉監督の時に初優勝として結実した。
(西日さす後楽園。
ホプキンスの3ラン。
絶叫する今は亡き金山次郎。
抱き合う金城と水沼。
コージの雄たけび・・・僕は決して忘れない。
ありがとう根本、広岡。)


僕は残業が嫌いだ

「はは、うちの会社は不夜城ですよ。
ええ、土日も誰か出てやっています。
よく働く?いやいやそれほどでもないですよ。
ははは。」

「おお、これ大至急ワープロしてくれ。
いつまでか?明日打ち合わせに持っていく資料だ。」

・・・

「もう5時なのに。
いつもこうなんですよ。
一日中いたんだから、もっと早く言ってくれればいいのに。」

「前からやらなきゃいけないことがわかっているのに、ほおっておいて、
何でいつもギリギリで言ってくるのかなあ。」

・・・

「土日も出て、徹夜で大至急やりました。」

「いやあ、大変だったなあ。
君の部署は毎日遅くまでよくやってくれる。」

・・・

「あいつ、いつも早く帰るんだよな。」

「8時か。
それはそうと、今日面白いことがあってな・・・てな話をしてたらもう9時か。
そろそろ帰るか。」

・・・

2月、3月の年度末は、私たちコンサルタントにとって、魔の季節である。
次から次へと工期が重なりながら嵐のようにやってきて、長いトンネルに入る。
やってもやっても終わらない。
どこまで続くぬかるみぞ。
閉塞感に押しつぶされる長い長い日々なのである。

たくさんのシートで構成される複雑なEXCELのブックとにらめっこしながら、
頭の中を$○$や=○○!が駆け巡り、終日、

「おっと、ヤバイ。
このシートは修正した行を挿入するのを忘れてた。」

「2軸のグラフはどうやって作るんだったっけ。」

などとやっていると、午後4時頃になると、だんだんわけがわからなくなってきて、

「あれぇ、どうしてこのセルにこんな式が入っているんだろう。
ありゃ、こっちもだ。」

などと収拾がつかなくなる。
頭の中が疲れているのがよくわかる。
これが不思議なことに、

「あー、もう今日はやめだ。」

と明日への不安をいっぱいに残しながら重い気持ちで作業を終わりにして帰り、
翌日作業を再開すると、昨日の夕方が嘘のようにサクサクできるのである。

誰のために残業しているの?
みんなの手前?
上司が見ているから?
どうして残業することになったの?
朝からそういうだんどりで会社に来たの?
早く帰りたくないの?

もちろん残業を頭から否定する気はない。
かく言う筆者も、正直に言えば、2月で休めたのは2日だけである。
恥ずかしながら、仕事に追いかけられまくっているのである。
やらねばならない時は、やらねばならない。

言いたいのは、残業に慣れてしまうと、
効率的な仕事のやり方―「最短距離を走る」―
を目指さなくなってしまうということなのである。
そして、それは、業務に対する日常の、あたりまえのスタンスとなってしまう。
アウトプットまでのストーリーが描けず、スケジュール感もなく、だんどりもできなくなってしまう。
そうなると・・・
スタンドプレーに走るようになってしまう。
「僕はこんなにやっているのに。」
という気持ちとともに。


胸に手を当てて

賢明な読者はもうお分かりだろう。
評価すべきは、バタつかないよう先を読み、計画を立て、だんどりを行い、
普通に、あたりまえの毎日を積み上げていくことであり、
スタンドプレーで目の前の危機を脱することではない。
目の前の危機は、当たり前のことをやっていないから、
普通に毎日を積み上げていないから招いたものである。
そして、スタンドプレーは無理を行う特急料金ものであるため、
普通のプレーに比べて非効率であり、リスクやトータルコストは膨らむ。
ミスが多く、手戻りの原因となる。

悲しいかな、スタンドプレーは目立つけど、普通のプレーは目立たない。
ややもすると冒頭のアナウンサーのように、スタンドプレーに目がいきがちである。
さらに悲しいのは、往々にしてスタンドプレーを見つめるまなざしは、管理職が篤いことである。
そういう管理職は基本プレーを会得せずにただ齢を重ねていった人が多い。
残念なことに、基本プレーを見る目がない、というか、その概念自体がないのである。

「ほうれんそう」という言葉が嫌いである。
ビジネスでよく言われる「報(報告)・連(連絡)・相(相談)」のあれである。
特に、「報」。
「報告がない」とよく言う人がいる。
報告がない原因は、実は、部下ではなく上司にあることが多い。
報告するとかえってめんどうなことになる。
報告しても自分の手柄にするばかりで次の指示がない。

・・・本来、部下は積極的に報告するものなのである。
仕事をスムーズに運ぶため、自分の能力では思いつかないアドバイスや
判断の指示を得ようとして報告する。
あるいは、役割上、自分では責任が取れないことについて
上司に責任を取ってもらうため報告するのである。

「報告がない」と嘆いている人は、
部下から認められていないことを自分でさらけ出しているようなものなのである。
先の広岡氏が監督、コーチについて語った言葉に、次のようなものがある。
「選手の無能を言う人が多いが、
それは選手の能力を引き出すことができない自分の無能をさらけ出していることであり、
それを言う事は、非常に恥ずかしいことである。」
肩書きを外してもう一度謙虚に自分を振り返ってみよう。
肩書きだけで「俺は偉いんだ」と思っていないか。
自分は部下のためになっているか。
部下の作業量を減らし、最短距離を走る指示を出しているか。
手柄は部下、ミスは自分としているか。

上司は船、部下は水である。
船は水に浮かんでいる。
船頭は自分で操船していると思っているようだ。
しかし、船は水に浮かんでいるだけなのだ。
船が水のことを想い、水が船のことを想えば、
水は船を目的地まで穏やかに運んでくれる。
だが、船が水のことを想うことができなければ、水は表情を変える。
穏やかでその存在さえも忘れていた水は今や大波・濁流となり、船はなすすべもない。
木の葉のように翻弄されたあげく大破し、水底に沈んでしまった。
実は、船は自分で進んでいるのではなく、水が運んでくれていたのだ。

20120301-02葛飾北斎
水の力に船はなすすべもない(葛飾北斎 神奈川沖浪裏)


お猿の一日

家族と話がしたい。
本も読みたい。
気晴らしにちょっとドラクエやファイファンもしたい。
何より風呂に入ってビールを飲んで、ゆっくりしたい。
資格の勉強もしたい。
ご飯の下ごしらえもしなくては。
筆者にはやることが多いのである。
残業なんかやってられないのである。
早く帰りたいのである。

早く帰る(ちょっと考えれば、これはおかしな言い方である。
「普通に帰る」が普通の言い方であろう。
こんなところにも、すでに神経が麻痺していることがうかがえる。)
ためにどうするか。
まず、計画立てである。

日曜の夕方には、スーパー銭湯の湯につかりながら、
月曜日からのだんどりを頭の中に巡らせる。
朝、始業前に今日一日のスケジュールを頭の中で思い描く。
「頭の中で」というのは、自分自身のことだから、
別に人に言うことではなく、自分がわかっていればいいという意味である。

一日のスケジュールは、まず、アウトプットとして今日は何をどこまでやるか決める。
そして、そのための段取りを時間刻みで考える。
午前中で○○を終わらせて、昼から○○にとりかかれば2時間ぐらいでできるだろうから、
3時ぐらいから○○をやり始めて、今日中に概要版を仕上げよう・・・などとイメージする。
繰り返すが、こんなことは誰にも言わない。
自分自身がわかっていればいいのである。

そして、予定の5時半は少し超えたけど、目標とした概要版はできたので、
その後は業界紙に目を通したり、もろもろの資料に目を通したりして「有意義な残業」をし、
今日も7時には帰ろう。

さあ、帰って、風呂に入って、ビールを飲むぞ。

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リニューアル完了!

ホームページのリニューアルにともない、blogを開設しました。
広く環境に関するコラムを綴っていきたいと思います。

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